税務年収の壁パート・アルバイト

「年収の壁」はどう変わった?基礎控除引き上げのポイント

「年収が一定額を超えると手取りが減る」——いわゆる「年収の壁」。基礎控除などの引き上げによって、この壁はどう変わったのでしょうか。税金の壁と社会保険の壁を分けて、働く人・雇う人の両方の視点から整理します。

2026.03.05 更新 読了時間:約5分
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この記事でわかること
  • 「年収の壁」には税金の壁と社会保険の壁がある
  • 基礎控除引き上げで税金の壁がどう動くか
  • パート・アルバイト本人への影響
  • 企業側が準備しておきたい対応

01「年収の壁」は1つではない

「年収の壁」とひとことで言っても、実際には性質の異なる複数の壁があります。まずはこれを分けて理解することが出発点です。

内容種類
103万円所得税が発生し始める目安(従来)税金
106万円一定要件で社会保険への加入義務が生じる社会保険
130万円扶養から外れ社会保険加入が必要になる社会保険
150万円配偶者特別控除が満額から縮小し始める税金
注意ポイント
税制改正で動くのは「税金の壁」です。106万円・130万円といった「社会保険の壁」は厚生労働省の制度で、税制改正とは別に見直しが進んでいます。両方を混同しないよう注意しましょう。

02基礎控除引き上げで税金の壁はどう動く?

基礎控除と給与所得控除は、いずれも「課税されない部分」を決める控除です。これらが引き上げられると、所得税が発生し始める年収ラインが上がります。つまり、これまで103万円を意識していた方にとって、税金がかかり始める水準が緩む方向に変わります。

結果として、パート・アルバイトの方は「働く時間を増やしても、すぐには税負担が増えない」範囲が広がります。世帯全体の手取りを増やしやすくなる改正といえます。

ポイント
税金は「壁を1円超えたら急に大損する」構造ではなく、超えた分に段階的に税率がかかる仕組みです。壁を意識しすぎて働き控えをするより、社会保険の加入メリット(将来の年金増など)も含めて総合的に判断することが大切です。

03企業側が準備しておきたいこと

従業員の働き方が変われば、給与計算や社会保険の手続きにも影響します。企業側では次の点を確認しておきましょう。

  • 扶養控除等申告書の記載内容と実態の一致
  • 年末調整での新しい控除額への対応
  • 社会保険の加入対象が広がる従業員の把握
  • シフト・契約時間の見直し相談への備え

特に、社会保険の適用拡大とあわせて考える必要があります。詳しくは関連記事「社会保険の適用拡大、企業が今から準備しておきたいこと」もあわせてご覧ください。

まとめ

「年収の壁」は税金の壁と社会保険の壁に分かれ、それぞれ別の制度で動きます。

基礎控除等の引き上げで、税金がかかり始める年収ラインは緩む方向に変わりました。

働く人は総合的な手取りで、企業は給与計算・社会保険手続きの両面で、早めの確認をおすすめします。

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