税務税制改正基礎知識

令和8年度税制改正大綱のポイントを解説

2025年12月に閣議決定された令和8年度税制改正大綱では、物価高への対応と経済成長の後押しを柱に、幅広い見直しが盛り込まれました。この記事では、経営者やご家庭に関わりの深いポイントを、専門用語をかみくだいて整理します。

2026.01.15 更新 読了時間:約6分
シェアする
この記事でわかること
  • 令和8年度税制改正の全体像と3つの柱
  • 基礎控除の物価連動と「年収の壁」への影響
  • 大型設備投資への新しい優遇措置
  • 相続・贈与、中小企業に関わる見直し

01令和8年度税制改正の全体像

税制改正大綱とは、翌年度以降の税制をどう見直すかをまとめた「設計図」です。毎年12月に与党が決定し、これをもとに翌年の通常国会で法律が改正されます。令和8年度大綱は、長引く物価高への対応と、国内投資・賃上げの後押しを大きな軸としています。

経営者の視点で押さえておきたいのは、次の3つの柱です。

  1. 物価上昇への対応(基礎控除等の引き上げ)
  2. 成長投資の促進(設備投資への優遇措置)
  3. 資産課税・中小企業関連の見直し
ポイント
大綱の段階では「方針」であり、細かい要件や適用時期は今後の法案・政令で確定します。大きな投資や相続対策を検討している場合は、確定情報が出るタイミングを専門家と確認しておくと安心です。

02物価上昇への対応 — 基礎控除と「年収の壁」

物価の上昇に合わせて、所得税の基礎控除などを引き上げる仕組みが検討されています。あわせて、一定の所得以下の方について基礎控除の上乗せを拡充し、給与所得控除の最低保障額を引き上げる特例も設けられる見込みです。

これは、パート・アルバイトの方が「一定の年収を超えると手取りが減る」ことを気にして働く時間を抑える、いわゆる「年収の壁」問題への対応でもあります。控除の引き上げにより、同じ働き方でも課税される所得が下がる方向に働きます。

注意ポイント
「年収の壁」には税金の壁だけでなく社会保険の壁(106万円・130万円)もあり、両者は別の制度です。税制改正で税金の壁が緩んでも、社会保険の加入条件は別途確認が必要です。

03成長投資の促進 — 設備投資への優遇

生産性向上を目的として、大規模な設備投資に対し「即時償却」または「税額控除」を選択適用できる新たな優遇措置が創設される見込みです。設備を導入した年に費用を一括計上できる即時償却は資金繰りの改善に、税額控除は納税額そのものの圧縮に効果があります。

優遇の種類効果向いているケース
即時償却取得年度に取得価額を全額損金算入できる当期の利益を圧縮して手元資金を厚くしたい
税額控除取得価額の一定割合を法人税額から直接控除長期的に納税総額を抑えたい

大きな投資を検討している企業にとっては、実行のタイミングを左右する重要な改正です。詳しくは関連記事「大型設備投資への新しい税制優遇」で掘り下げています。

04相続・贈与、中小企業に関わる見直し

資産課税の分野では、貸付用不動産の相続税評価の見直しなどが含まれています。賃貸不動産をお持ちの方は、評価額が変わる可能性があるため、早めに影響を確認しておくことをおすすめします。

中小企業向けには、賃上げ促進税制や事業承継関連の措置についても継続・拡充の方向で議論が進んでいます。自社が対象になり得る制度がないか、決算のタイミングで棚卸ししておくとよいでしょう。

まとめ

令和8年度税制改正は「物価対応」「投資促進」「資産・中小企業関連の見直し」が柱です。

基礎控除の引き上げは働き方に、設備投資優遇は投資判断に、不動産評価の見直しは相続対策に、それぞれ直接影響します。

大綱は方針段階のため、実行前には確定した要件・時期の確認が欠かせません。自社に関わる改正がある場合は、早めに専門家へご相談ください。

税務・経営のご相談はアクアマリンコンサルティンググループへ

  • 初回相談無料
  • オンライン相談対応
  • AI・DXにも対応
お問い合わせはこちら

本記事は掲載時点の情報に基づいて作成しています。制度の内容は今後変更される場合があります。個別のご判断にあたっては、必ず専門家にご相談ください。

まずはお気軽にご相談ください。

初回のご相談は無料です。5言語対応の専門家がお応えします。

無料相談はこちら