大型設備投資への新しい税制優遇 — 即時償却か税額控除か
生産性向上に向けた設備投資を後押しするため、令和8年度税制改正で新たな優遇措置が創設される見込みです。「即時償却」と「税額控除」はどう違い、自社にはどちらが有利なのか。判断の軸を整理します。
この記事でわかること
- 即時償却と税額控除の基本的な違い
- それぞれが向いているケース
- 資金繰りと納税総額への影響
- 活用前に確認しておきたいこと

01即時償却と税額控除、何が違う?
設備投資への優遇には大きく2種類あります。取得した設備の費用をいつ・どのように税務上取り扱えるかが異なります。
| 項目 | 即時償却 | 税額控除 |
|---|---|---|
| 仕組み | 取得価額を初年度に全額損金算入 | 取得価額の一定割合を税額から直接控除 |
| 効果が出る場所 | 課税所得を圧縮 | 法人税額を圧縮 |
| トータルの節税額 | 基本は課税の繰り延べ(先送り) | 控除分だけ純粋に減税 |
| 資金繰り | 初年度の手元資金を厚くできる | 控除で納税額が直接減る |
ポイント
即時償却は「税金を早く経費にして先送りする」効果、税額控除は「税金そのものを減らす」効果と捉えると分かりやすいです。長期のトータルで見ると、一般に税額控除のほうが得になるケースが多いですが、資金繰りを優先するなら即時償却が有利です。
02どちらが向いている?ケース別の考え方
選択にあたっては、自社の利益状況と資金計画を踏まえることが重要です。
- 当期に大きな利益が出ており、手元資金を厚くしたい → 即時償却
- 安定的に利益が出ており、長期の納税総額を抑えたい → 税額控除
- 赤字または利益が少ない → 税額控除は控除しきれない場合があり、繰越の可否を確認
注意ポイント
税額控除には「その年の法人税額の一定割合まで」という上限があります。利益が少ない年は控除しきれないことがあるため、繰越控除の有無や適用年度の見極めが必要です。
03活用前に確認しておきたいこと
こうした優遇措置は、対象設備・金額・事業計画の要件が細かく定められます。実行前に次の点を確認しておきましょう。
- 対象となる設備の種類・取得価額の要件
- 事前の計画認定などの手続きが必要かどうか
- 適用できる期間(取得・事業供用の期限)
- 補助金との併用可否
投資額が大きいほど、選択の違いによる税効果も大きくなります。設備投資を検討する段階で、早めに税理士へご相談ください。
まとめ
設備投資の優遇は「即時償却(繰り延べ)」と「税額控除(純粋な減税)」の2種類があります。
手元資金を優先するなら即時償却、長期の納税総額を抑えるなら税額控除が基本的な考え方です。
要件や適用期限、資金計画によって最適解は変わります。投資判断の前に専門家と試算することをおすすめします。
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出典・参考資料
本記事は掲載時点の情報に基づいて作成しています。制度の内容は今後変更される場合があります。個別のご判断にあたっては、必ず専門家にご相談ください。


